
画一化されていた美の定義が多様化されるこの時代、人はどのように美しくあるべきなのだろうか──生物学者の福岡伸一が、動的平衡に基づく生命感や、限りある命の中での真の美しさとは何かを語ってくれた。※「前編」はこちらから。
──ありのままの姿や年齢を受け入れるという価値観がスタンダードになりつつあります。ハカセも「ありのままの姿にこそ美しさがある」と仰っていますが、ルイヴィトンスーパーコピー 歳を重ねることに対しても全面的に受け入れてゆくしかないのでしょうか。
病気もそうですが、これを飲めば治ります、これを食べれば効きます、などといった魔法の方法はないと私は考えています。なにか一つの原因によってあるロジックが改善されるというのは、機械論的な考え方ですが、私はこの機械論的な生命観に対抗する新しいパラダイムシフトとして、動的平衡という言葉で説明できる生命動的平衡観を主張しています。
──ハカセの書いた『動的平衡』シリーズ3冊とも、楽しく拝読しました。 なぜパラダイムシフトが必要と考えたのでしょうか。ハカセの考える“動的平衡に基づく生命観”について詳しくお聞かせください。
これまで、私たちの体を機械やある種の回路と見なすような考え方が主流でした。Aという刺激を与えると自動販売機みたいにBという反応がでてくるとか、体に痛いところが出てきたら手術してそこを取り換えればリニューアルできるなどという、機械的な価値観で研究が進んできたのです。部品を替えればいい、またはメカニズムを解明して変更できるような薬を作り投与すれば歯車が上手く回って正常に戻るといったように、人間の体をまるでパーツから成り立つメカニズムと考え過ぎるがゆえに、時に行き詰まってしまうこともあります。人間の身体を機械的に見過ぎてきたところに、近代科学の大きな問題があると思います。